皆さん初めまして!
陸上自衛隊で10年間勤務していたJIEI CAMPです。
自衛隊という職業に対して皆さんが抱いているイメージは様々だとは思いますが、
彼らは日夜国防の任を果たすためにしっかりと勤務しています。
ニュースや防衛省の広報、SNSやインターネットでいろいろな情報が手に入る時代に
なりましたが、それが本当に現場の声、実情かと言われると異なる部分が多いと感じています。
この記事では、シリーズ最初の記事ということなので、私の経歴と職歴を大公開します!
私がどのように自衛隊に入り、何を仕事としてきたのか、
皆さんの参考になるような情報を提供していきます!
自衛隊への入隊を希望している方はこの記事を参考にしてイメージを膨らませてみて下さい!
この記事はとんでもなく長くなってしまうので、3部編成で行きます!
~前編~
1:入隊編 ~陸上自衛隊高等工科学校~
2:中期教育編 ~第5陸曹教育隊~
~中編~
3:後期教育編1~通信学校~
4:後期教育編2~武器学校~
~後編~
4:部隊配属 ~第4師団~
5:転属 ~水陸機動団~
この記事では、前編を特集します!
細かいことを書いていくと膨大な量になってしまうのでこの記事ではかいつまんで紹介します。
取り扱ってほしい内容等がありましたらお問い合わせフォーラムからお願いします!
目次
1:入隊編 ~陸上自衛隊高等工科学校~
私が自衛隊に入隊したのは中学校を卒業してからです。
陸上自衛隊には、中学校卒業者を対象とした入隊コースがあります。
それが、「陸上自衛隊高等工科学校」です。
場所は神奈川県横須賀市に所在する「武山駐屯地」です。
高校3年間を駐屯地内で生活し、高校の授業を受けながら陸上自衛官として必要な教育を
受け、卒業後には晴れて各方面で活躍する自衛官となります。
おそらくネットで調べると素晴らしい情報からブラックな情報まで様々あると思います。
私が経験してきたことは別記事でいろいろと詳しく紹介しますが、
一言で表すと「地獄」ですねw
学校内では、1年生は奴隷、2年生は人間、3年生は神様と表現されます。
3年生は絶対的存在で、逆らうことは許されません。それがどんなに理不尽なことでもです。
3年生が「雪は白ではなく黒い」といえば1・2年生にとって「雪は黒く」なるんですw
それくらい絶大な力を持っています。
学校の職員も自衛官と防衛省の職員である事務官で構成されています。
そして学校の職員のほとんどは、生徒出身者です。
つまり、そのパワーバランスは黙認されるのです。
3年生には職員もほとんど指導しません。放任状態です。
(中には3年生になっても1年生のように指導される生徒もまれにいますがw)
そして、みなさん考えてみて下さい。
高校生という一番多感な時期にある思春期真っただ中の男子高校生を
900人くらい閉じ込めたら何が起こるか、、、
まさに地獄ですねw
しかも、高等工科学校で勉強している3年間は「給料」がもらえます。
「親元」から切り離された「男子高校生」が「給料」を手に入れたら、、、
もうね、最強ですw
学校生活そのものはすごく楽しいです。
きついことや嫌なこともたくさん、たくさん、たっっっっくさんありますけど、
それを一緒に乗り越えた同期との絆は一生ものです。
決して大げさな表現ではなく、卒業後には晴れて「桜友会」という
高等工科学校卒業生で構成される陸上自衛隊最大のOB会に実質強制加入となりますw
自衛隊を退職した後も、桜友会とのつながりは切れません。
ほんとに一生ものですw
また、自衛隊最大のOB会ということもあり、卒業生が自衛隊のそこら中にいます。
陸上自衛隊では卒業生のことを「生徒」と表現します。
学校では厳しかった先輩たちも、それよりさらにベテランの生徒の先輩たちも、
卒業後にあったら自分の弟のように可愛がってくれる方ばかりです。
仕事をする上でも相手も自分も生徒だと、こちらが後輩だとわかると
困っていたら助けてくれたり助言をしてくれたり、それが仕事の申請類であったら
すんなりと許可してくれることも多いです。
多少無理なお願いであれば大抵許可してくれますし、私自身も後輩のお願いであれば
OKしていました。
学校ではきつい思いもすることが多いですが、自衛隊で働くうえでは非常に貴重な人脈を
卒業するだけで手に入れることができます。
今から自衛隊に入ることを考えている中学生にはぜひおすすめしたいコースになります。
高等工科学校の日常編は続々アップしていく予定です!
お楽しみに!!
2:中期教育編 ~第5陸曹教育隊~
学校で3年間過ごした後そのまま各方面隊ごとにある「陸曹教育隊」へと送られます。
自分の行く方面隊は、卒業前の適性検査と学校の成績で、
自分の配属される方面隊と職種が決まります。
成績がいいほど自分の希望が通りやすいです。
3月末に卒業して、1週間程度の休みを挟んだら各人毎自分の配属される方面隊の
陸曹教育隊へと向かいます。
陸曹教育隊とは、一般部隊に「陸士」として入隊した隊員が「陸曹」へと
昇任するために、「陸曹昇任試験」を受験し、その選抜試験をクリアしてきた
隊員が約3~6か月の教育を受けに行くところです。
学校を卒業すると、生徒は「陸士長」の階級を与えられ、1年後には「3等陸曹」へと
昇任します。
しかし、何も経験がない状態で部隊に配属されても仕事も出来ずに知識もない「使えない陸曹」が大量に製造されてしまいます。
それを防ぎ、最低限の陸上自衛官としての「技能」を身に着けるために陸曹教育隊へと
送られます。
高等工科学校で何をしていたの?と気になる方もいるでしょう。
高等工科学校は、自衛官としての基礎を学ぶところです。
それは一般部隊の新隊員教育隊で行われる教育と同じものです。
しかし、新隊員教育隊の教育は3か月で終わります。
対して、高等工科学校では3年間かけて行われます。
3か月で終わる教育を3年間かけて行うのですw
その分、教育内容はマスターしますけどもww
陸曹教育隊では、陸士を指導する立場になる人間に必要な知識と技能、指導法などを
学ぶことができます。
生徒はそこで初めて部隊の雰囲気に触れることができます。
基礎教育を3年間も受けてきた身からしたら、すごく楽しかったです。
初めて実践的な(自衛官としては基礎ですがw)教育を受けて、
学校とは違う雰囲気で様々なことを学びます。
内容は教えることが出来ないものが多いですが、皆さんにもお伝えできる範囲で
記事にしていきたいと思います!
陸曹教育隊の教育が終わると、生徒はそれぞれの部隊へと散っていきます。
学校の卒業時は、配属される方面隊と職種が決まっています。
陸曹教育隊で配属される駐屯地と部隊が決まります。
陸曹教育隊の成績は非常に重要です。
さもないと、福岡をき西部方面隊を希望したのに陸曹教育隊で成績が悪くて
沖縄に飛ばされたり、、、なんてこともw
自衛隊で働く間は、各種教育の成績がすべてです。
配属。昇任。昇給。ボーナス。
すべてが成績で左右されます。
自衛隊で働こうと思っている人は覚えていてください。
陸曹教育隊でのエピソードは今後追加していきます!
~終わりに~
いかかでしたでしょうか?
今回は前編をお送りいたしました。
今回は大体のイメージをつかむために簡単に説明しましたが、それぞれの詳しい日常は
今後追加投稿していきます。
皆さんの参考になるように頑張りますので
続編をお楽しみに!!